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みんなのドラマレビュー!
月曜ミステリー劇場「白蝋の死美人」

 
 稲垣「犬神家」の余韻も覚めやらぬ2004/04/26、古谷一行の金田一耕助が帰ってきました!
 原作は「蝋美人」に「雌蛭」をミックス、そして「牡丹と薔薇」のエッセンスもふりかけて(笑)、大時代的なストーリーに賛否の渦が巻き起こりました。
 さて、皆さんの感想は、いかがでしたでしょうか?
 
 レビュー掲載をご希望の方は、木魚庵までメールでお願いいたします。
 このコーナーに関しては、対象のドラマ、及び原作(「蝋美人」のみ)についてのネタばれを解禁します。同じ原作でも映画や他のドラマなどについては、未見の方もいますのでネタばれはご遠慮ください。
 絶讃だけでなく、批判・批評OKです。ただし誹謗中傷は当方でチェックします。
 
 
「白蝋の死美人」ボヤキ
 
私の場合は、いわゆる“「横溝正史シリーズ」世代”なので、今の古谷金田一シリーズを見るのは、いろんな意味で複雑な心境なのです。
しかし!原作が(けっこうマイナーな)「蝋美人」に「雌蛭」とは!渋いですよねー。(笑)
そこまでして、新作品のドラマ化をよくもまあ続けるなぁと・・・これは感動に値しますね。
でも・・・政治家の汚職だのといった現代的社会派的要素の添加、ヒロインの悲劇の主人公化、殺人の理由の正当化、などなど、陳腐なサスペンスドラマの形態にしてしまうのは、もうやめていただきたい!
そんなドラマが良ければ、別に金田一耕助じゃなくていいでしょう?
私はサスペンスドラマが見たいのではなくて、金田一さんに会いたいのです。
次回こそは、金田一さんが金田一さんらしく現れるドラマをお願いしたいです。
 

走れ! 耕助
つな
 
今回のドラマは舞台の大半が鎌倉ということもあり、わたしが何度も散策に訪れている場所が映るたびに、「ここは○○寺、ここは○○神社。」と家族に解説をしながら見ていました。
伊沢家のお屋敷も以前オフ会で伺った場所で、どんな所かもわかっていたのでこのようにシーンをつなげれば、お屋敷の周りもこんな風に見えるのかと感心しました。

連休中に鎌倉へ訪れた際、ある坂道を見たとき直感でここを撮影で使ったと思ったので近所のお店の人に伺ったところ、そうですよとおっしゃってましたが、市内でも端と端に位置するその場所を、よりよい場所として探すスタッフの方々の熱意にも脱帽といったところです。

さて、ドラマはというと、
「あんな人間を黒焦げになるほど焼くには、家も焼けるぐらい火力が必要じゃないの?」
とか
「あんなにすばらしく切れ味のよいナイフなんて見たことないよ。」
とか興ざめするような家族の意見が、飛び交ってましたが、面白かったですよ。いつもの雰囲気と違って。
古谷氏にもいつまでも「走る耕助」を演じつづけてほしいものです。
 

古谷金田一に思うこと
楊華嬢
 
今回の「白蝋の死美人」、嫌いではありませんでした。もちろんつっこみながらというのもありましたが。前回のよりも、まだ原作を大切にしてる気がします。

こちらのサイトや他のサイトを見るまで、まだ20代である私は昔の古谷金田一の栄光を知りませんでした。
映像化されたものは、物心ついた時には2サスしかなく、辛うじて高校の時に例のトヨエツ金田一があったくらいでした。
だから、テレビの金田一は原作無視であり(鶴金のせいもあると思います)、ここに書かれている皆さんが、古谷金田一にかくも思い入れがあるか理由がわかりませんでした。

去年、初めてシリーズを見たとき、こんなに忠実ですごいドラマを過去やっていたのかと本当に驚きました。ここでやっと古谷金田一に対する皆さんの思い入れが理解できました。
一方的な望みですが、こうやって2サスとして映像化するのもいいけどシリーズをぜひ再放送して欲しい(普通に民放で)なあと切実に(逆説的に)思います。

まあ、ばらばらとした感想になりましたが、要は
「古谷金田一の良さを私達の世代にも伝えてよ!」ってとこでしょうか。
探し求めないと(つまりマニアに足をつっこまないと)古谷金田一の栄光を知ることができないのはテレビ的にもファン的にも、マニアじゃない人たちにも損な気がしています。
 

面白かったです
篤史
 
古谷さんの「白蝋の死美人」、僕は良かったと思います。

実は僕は今回は「雌蛭」は読んでいたのですが、「蝋美人」は読まないでドラマを観ました。それがあったからかどうかはわかりませんが、今回のドラマは面白く観れました。

古谷さんもお年を召されましたが、僕は「金田一耕助は、やっぱり古谷さんじゃなきゃ!」と思わせる風格を感じました。

僕は原作は読んでいませんが、ドラマとしてはよく出来ていたと思います。
 

生涯一ファンの私は
ゆきみ
 
いやいや、なかなか面白かったですね、「白蝋の死美人」。
なんで死ぬの?の岡田茉莉子(和服ピグモンは受けました!)、イメージ合ってるような合ってないような杉本彩(なぜ金平糖?)、相変わらずアクの強い清水紘治、いいですねえ・・・重厚で。

冒頭のえげつないスープ、結婚した相手が実は●●だった、etc
こういうキャストだからできる芸当だと心底思いますね。
どなたかも仰有ってたと思いますが、「古谷一行劇場」は、ある意味安心なのです。

私は古谷ファン歴30年です。
古谷さんが急激に老けて見えた時(1990年以降)は、そりゃさすがに見てられませんでしたが、古谷さんがくたびれて見えるのは、テレビで見る限り金田一やってる時だけなんです。(爆)

新しいファン候補に「横溝ってこんなもん?」と思われる事がいや、というのは私の中にもありますが、大ブームの時だって「角川文庫」の表紙絵や、度重なる映像化で、「横溝はこわい話」のイメージがついてしまった事も否めない。
現に私の周りは、「横溝はホラー」と思っている人ばかりです。

今回のドラマは、マリの人格が変えられてました。
原作ファンには面白くないかもですが、横溝の根底にある「人間ドラマ」を出すには良かったと思います。
「蝋美人」の原作は、ほぼ使われていた事だし、シチュエーションを取っただけとはいえ、ちゃんと「雌蛭」のクレジットがあった事はどこに何の原作を使ったのか分からない過去の作品よりは、遙かによい印象を受けました。
 

出演者の存在そのものが・・・
アレックス
 
恐かった「白蝋の死美人」。
ピグモンが和服を着たかのような岡田茉莉子様の目の下あたりの・・・(キャー)
男闘呼組当時と比べて30%増量の前田耕陽さんのウエス・・・(キャー)
犬神「ガマガエル」小夜子を彷彿とさせる西尾まりさんの・・・(キャー)
 

「白蝋の死美人」感想
MAX
 
白蝋の死美人、私も見ました。CMカットで約95分、稲垣金田一よりもコンパクトで、見やすかったです。
英さんの、時代劇とゆうのは、別の意味で私も思っていました。
とにかく今の時代、ロケ地がないです。昭和初期、戦後、山あいの村、汽車、など、あの時代の風景を撮れる場所が、今の日本にどれだけあるのでしょうか。
もう劇場版やTVシリーズ並みの、あの映像は見られないのかもしれません。
が、見たいです。大好きだから。
 

徒然に思う。
 
杉本彩さん、綺麗でしたねー。

私は金田一さんのシリーズは、ある意味「時代劇」と捉えています。
昭和も随分と昔に思えるほど、人々の生活様式、いろんな価値観が違ってきている今。
江戸時代の時代劇もそうですが、私たちが今はもう忘れてしまった心の有り様が、少しでも垣間見れればいいなあ〜。なんて思うのです。
あの頃を生きていた人たちの立ち居振る舞い、生活に対する真摯さ。
自分の出自に対する誇り、そのような、今はもうどこにもないような姿を、丁寧に描いて欲しいと思うのです。
昭和初期の激動の時代を、いろんな角度から「あの時代」っていうものを描き、その匂いや、風俗を残していって欲しいと思うのです。
そういう意味でエンターティメント性のある2時間ドラマはとっつきやすく、わかり易いアイテムであるって思うのです。
戦争をはさんで、人々の中にある信じられる価値観が崩壊して、それをまた、混乱しながらも構築し直して行く、そんな時代の力強さ。
それを描いて欲しいと思うのです。

殺人の理由というものは、カインとアベルの時代から変わりません。
変わるのは、それに絡む価値観というものでしょうか。

長々と的外れなこと書いてしまったかもしれません。
どうかお許しを。m(_)m
 

「何なんだ、この家は〜!」(笑)
木魚庵
 
いやはや、なんとも凄まじいお話でした。

蠅スープに鼠の死骸、乱痴気パーティにメイド服プレイ(え、違う?)と、一体どこが横溝なんだよ〜、とツッコミながらも、あれよあれよと目まぐるしく展開するストーリーに翻弄されっぱなしでした。ストーリーは横溝の原作につかず離れずでしたが、このドラマの面白さは、横溝正史の原作からかけ離れたところにありました。

ドラマを動かしているのは、一世を風靡した昼メロ「牡丹と薔薇」を彷彿とさせる名門一家の悲喜劇や、「冬のソナタ」もビックリの古臭い純愛物語など、流行モノを織り交ぜた刺激的な場面の連続による急展開です。
黒こげ死体や復顔法、相次ぐ殺人事件も、時代錯誤のストーリーの支配下に置かれてしまい、引き立て役になり果てています。
金田一耕助は、ただそのなりゆきを、望遠鏡で覗きみるだけ。謎を解決するのは、推理の積み重ねではなく、「偶然」生きているマリに出くわしたからです。
いくら逆立ちを奮発したって、最後に「糸電話」を流したって、金田一耕助シリーズとしての構造が骨抜きになっているのだから、面白くない・・・はずなんだけど、まあ、展開がぶっ飛んでいたので、今回は大目に見てやろうかと思わせる、奇妙な力を持ったドラマでした。

これだけでは何なので、脚本の石原武龍を誉めましょう。
乱痴気パーティで、酔った編集長の妻(葉山レイコ)がマリ(杉本彩)の衣装を拝借する場面。マリの逆境を象徴すると同時に、この
二人のスタイルが同じであることを暗示した伏線になっています。
つまり、黒こげ死体になっても入れ替わりが可能であると、ここで匂わせたかったのです。
演出がその意図を理解して、効果的に用いれば、ミステリドラマとして面白いモノになったかもしれません。
ところが、実際の杉本彩と葉山レイコでは、首ひとつ分くらいの身長差がありました。そのため、せっかく用意された伏線も活かしきれなかったというわけ。
キャスティングは脚本の指示に沿って行ないましょう。
 

(C) 2004 NISHIGUCHI AKIHIRO