Kindaichi Kousuke MUSEUM

事件簿編さん室

金田一耕助図書館
├5F:横溝作品の源流
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金田一耕助視聴覚室

金田一さんの現場検証

展示室:木魚氏の蒐集品

木魚のおと

リンクターミナル

作者名(五十音順)
 いけうち誠一
 岩川ひろみ
 江原伸
 鳳英洋
 小山田いく
 掛布しげを
 影丸譲也
 ささやななえ
 J E T
 田中つかさ
 たまいまきこ
 つのだじろう
 直野祥子
 前田俊夫/橋本一郎
 金田一以外の横溝作品
サスペリアミステリー
掲載作品
 暁綾子
 秋乃茉莉
 池田恵
 えぐちゆう
 小川和美
 上坂ナオ(高森夜魚)
 児嶋都
 佐藤千江子
 宗美智子
 高橋葉介
 たまいまきこ
 鳥羽笙子
 長尾文子
 永久保貴一
 服部あゆみ
 ひたか良

 
 
つのだじろう
八つ墓村
(富士見書房→秋田書店)
昭和51年、角川映画「犬神家の一族」公開に足並みを揃えるかのように、富士見書房の「ワイルド・コミックス」の書き下ろしシリーズとして、10月に「八つ墓村」と「犬神家の一族」が、12月に「悪魔の手毬唄」が刊行された。
 
この3部作は、昭和59年に秋田書店から、また平成13年には講談社漫画文庫から「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」が復刊されている。
講談社版で「八つ墓村」が復刊されなかった理由は、よくわからない。おそらく、先に同文庫から影丸譲也の「八つ墓村」が刊行されており、タイトルの重複を避けたためと思われるが、格別の根拠はない。
 
つのだ「八つ墓村」が現役で読めないなら、古本にあたるしか手はないのだが、比較的入手しやすい秋田書店版(以下新版)より、苦労してでも富士見書房版(以下元版)で読まれることをお勧めする。
実は元版では冒頭の16ページが赤黒二色刷りなのだが、新版ではこの赤版がスッポリと抜け落ちている。
 
「犬神家」や「手毬唄」では赤版は服の色や背景にしか用いられず、文字通り「色をそえる」程度の扱いなのであってもなくても気にならないが、「八つ墓村」では尼子の落ち武者狩りに端を発する祟りの顛末が語られている。惨劇に次ぐ惨劇の、血がドバーッ、がすべてこの赤版で表現されているのだ。
新版では、首を斬られ、槍で突かれる落ち武者から血が流れていない。元版の、血まみれでのたうち回る落ち武者を見てしまうと、段違いに迫力が違う。
「たたりじゃ〜〜〜〜〜ッ!」を実感するためにも、富士見書房の元版の入手をお勧めする次第である。
 
左が秋田書店(新版)、右が富士見書房(元版)。
どっちがコワイ?
犬神家の一族
(富士見書房→秋田書店→講談社漫画文庫)
富士見書房「八つ墓村」カバー見返しの著者の言葉によれば、「八つ墓村」一作の執筆に延々4ヶ月半も費やしたそうで、そうとう苦労した様子がうかがえる。
結局、その後の刊行予定作品としてラインナップされていた「獄門島」「悪魔が来りて笛を吹く」「本陣殺人事件」「病院坂の首縊りの家」は、ついに幻のままとなってしまった。
悪魔の手毬唄
(富士見書房→秋田書店→講談社漫画文庫)
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